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2026年08月20日更新
法定雇用率でA型事業所は算定対象?カウントの計算方法と注意点
法定雇用率でA型事業所の利用者は算定対象?カウント方法と注意点
障害者雇用促進法に基づき、一定規模以上の企業には、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。民間企業の法定雇用率は2026年7月1日から2.7%となっており、人事・採用担当者には正確な算定方法の理解が求められます。
就労継続支援A型事業所の利用者は、A型事業所と雇用契約を結んで働いています。そのため、対象となる障害者手帳の所持や週所定労働時間などの要件を満たす場合、原則として雇用主であるA型事業所の実雇用率に算入されます。
ただし、A型事業所への業務発注や実習の受け入れだけでは、発注企業や受入企業の実雇用率には算入されません。一般企業がA型事業所の利用者を採用した場合は、その企業との直接雇用に基づいて算定されます。
本記事では、A型事業所の利用者が実雇用率に算入される場合の具体的なカウント方法、2024年4月からの短時間労働者に関する特例、2026年7月からの法定雇用率について解説します。
【結論】A型事業所の利用者は要件を満たせば算定対象です
就労継続支援A型事業所の利用者のうち、対象となる障害者手帳を所持し、雇用期間や週所定労働時間などの要件を満たす人は、原則として雇用主であるA型事業所の実雇用率に算入されます。
これは、A型事業所の利用者が事業所と雇用契約を結び、労働関係法令の適用を受けて働くためです。
一方、就労継続支援B型事業所の利用者は、事業所と雇用契約を結ばず、作業に応じた工賃を受け取ります。そのため、B型事業所の利用者として働いている間は、障害者雇用率制度における算定対象にはなりません。
A型事業所の利用者が算定対象となる理由
就労継続支援A型事業所の利用者は、事業所と雇用契約を結んで働きます。労働基準法や最低賃金法などの労働関係法令が適用され、原則として地域別最低賃金以上の賃金が支払われます。
そのうち、対象となる障害者手帳を所持し、雇用期間や週所定労働時間などの算定要件を満たす人は、障害者雇用率制度上の算定対象になります。
実雇用率の算定対象となる障害者は、原則として次のいずれかの手帳を所持している人です。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳など、知的障害があることを判定する手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
障害福祉サービス受給者証を持っていることや、医師の診断を受けていることだけで、必ず実雇用率に算入できるとは限りません。
法定雇用率における具体的なカウント方法
実雇用率に算入する人数は、週所定労働時間や障害の種別・程度によって異なります。
| 週所定労働時間 | 身体障害者・知的障害者 | 重度身体障害者・重度知的障害者 | 精神障害者 |
|---|---|---|---|
| 30時間以上 | 1人 | 2人 | 1人 |
| 20時間以上30時間未満 | 0.5人 | 1人 | 1人 |
| 10時間以上20時間未満 | 対象外 | 0.5人 | 0.5人 |
| 10時間未満 | 対象外 | 対象外 | 対象外 |
ただし、週10時間以上20時間未満の人を0.5人として算入する特例は、就労継続支援A型事業所の利用者には適用されません。A型事業所の利用者については、原則として週20時間以上であることが必要です。
週30時間以上の場合
週所定労働時間が30時間以上の場合、原則として1人を「1人」として算定します。
重度身体障害者または重度知的障害者の場合は、1人の雇用を「2人」として算定するダブルカウントが適用されます。
週20時間以上30時間未満の場合
週所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者は、短時間労働者として扱われます。身体障害者または知的障害者は、原則として1人を「0.5人」として算定します。
重度身体障害者または重度知的障害者は「1人」として算定されます。また、精神障害者保健福祉手帳を所持する精神障害者についても「1人」として算定されます。
【注意】A型利用者には週10~20時間未満の特例を適用できません
2024年4月の制度改正により、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者または精神障害者は、特定短時間労働者として1人を「0.5人」と算定できるようになりました。
ただし、この特例は就労継続支援A型事業所の利用者には適用されません。A型事業所の利用者を実雇用率に算入するには、原則として週所定労働時間が20時間以上であることが必要です。
一般企業が障害者を直接雇用する場合は、対象となる障害の種別・程度など、特定短時間労働者の制度要件を満たせば0.5人として算定できる場合があります。
法定雇用率の変更点と現在の対象企業
民間企業の法定雇用率は段階的に引き上げられています。
2026年7月から法定雇用率は2.7%
民間企業の法定雇用率は、2024年4月1日に2.3%から2.5%へ引き上げられました。これにより、常用労働者40.0人以上の企業が障害者雇用義務の対象となりました。
さらに、2026年7月1日から法定雇用率は2.7%へ引き上げられ、対象となる企業の範囲も常用労働者37.5人以上に拡大されています。
なお、短時間労働者は、企業規模や実雇用率を計算する際に、原則として1人を0.5人として扱います。そのため、単純な在籍人数だけではなく、週所定労働時間を踏まえた確認が必要です。
厚生労働省で進むA型事業所に関する議論
厚生労働省の研究会などでは、A型事業所の利用者を障害者雇用率制度や障害者雇用納付金制度の対象とすることについて、継続的な議論が行われています。
A型事業所には、利用者と雇用契約を結ぶ雇用の場という性格がある一方、障害福祉サービスとして訓練等給付費を受けて運営されている側面もあります。そのため、公的な福祉サービスと雇用率制度との関係が論点となっています。
現時点でA型事業所の利用者を直ちに算定対象から除外することが決定しているわけではありません。ただし、今後制度が変更される可能性もあるため、厚生労働省やハローワークから発表される最新情報を確認することが大切です。
企業がA型事業所と連携する方法
企業がA型事業所と連携する方法には、一般就労を希望する利用者の採用、職場実習の受け入れ、業務発注などがあります。
ただし、法定雇用率に算入できるのは、原則として自社が直接雇用し、所定の要件を満たす障害者です。A型事業所に業務を発注したり、実習を受け入れたりするだけでは、自社の実雇用率には算入されません。
一般就労を希望する人材の採用につなげる
A型事業所には、利用者の知識や能力の向上を支援し、一般企業への就職につなげる役割があります。
企業はA型事業所と連携して職場見学や実習を実施することで、応募者の希望や適性を確認しながら採用を検討できます。利用者にとっても、実際の職場や仕事内容を確認できるため、採用後のミスマッチを減らすことにつながります。
A型事業所で身につけた業務経験やビジネスマナーなどを、採用後の仕事に生かせる可能性もあります。
特例子会社とA型事業所からの採用の違い
特例子会社は、一定の要件を満たして厚生労働大臣の認定を受けることにより、そこで雇用する障害者を親会社の実雇用率に合算できる子会社です。
一方、一般企業がA型事業所の利用者を採用する場合は、その人を自社の労働者として直接雇用します。算定要件を満たせば、採用した企業の実雇用率に算入されます。
特例子会社では障害者雇用に適した設備や支援体制を整えやすい一方、設立や運営に一定の準備と費用が必要です。A型事業所からの採用では既存の職場へ受け入れるため、担当業務の切り出しや職場内の支援体制、合理的配慮の検討が重要になります。
法定雇用率とA型事業所に関するよくある質問
Q. A型事業所の利用者は、どの事業主の実雇用率に算入されますか?
A型事業所で利用者として働いている間は、原則として雇用主であるA型事業所の実雇用率に算入されます。
一般企業がその人を直接雇用した場合は、手帳の所持や週所定労働時間などの要件を満たすことで、直接雇用した企業の実雇用率に算入されます。
Q. A型事業所の利用者は何人としてカウントされますか?
対象となる障害者手帳を所持する人の場合、週所定労働時間が30時間以上であれば、原則として1人を「1人」として算定します。重度身体障害者または重度知的障害者は「2人」として算定されます。
週20時間以上30時間未満の場合、身体障害者または知的障害者は原則「0.5人」、重度身体障害者、重度知的障害者または精神障害者は「1人」として算定されます。
A型事業所の利用者には週10時間以上20時間未満の0.5人算定の特例が適用されないため、週20時間未満の場合は算定対象外です。
Q. A型事業所の利用者であれば全員が算定対象ですか?
いいえ。A型事業所の利用者であることだけで、自動的に全員が算定対象になるわけではありません。
対象となる障害者手帳の所持、雇用期間、週所定労働時間など、障害者雇用率制度上の要件を満たしているか確認する必要があります。
Q. 今後、A型事業所の利用者が算定対象から除外される可能性はありますか?
厚生労働省の研究会などでは、A型事業所と障害者雇用率制度の関係について議論が続けられています。ただし、現時点で直ちに算定対象から除外されることが決定しているわけではありません。
制度が変更される可能性もあるため、厚生労働省、都道府県労働局、ハローワークなどの最新情報を確認してください。
Q. A型事業所に業務を発注すれば、自社の法定雇用率に算入できますか?
いいえ。A型事業所への業務発注や業務委託だけでは、発注企業の実雇用率には算入されません。
法定雇用率は、原則として自社が直接雇用し、算定要件を満たす障害者を対象とする制度です。ただし、A型事業所への発注は障害者の就労機会の確保につながるほか、将来的な実習や採用に向けた連携のきっかけになることがあります。
ご利用にあたっての注意点
就労継続支援A型事業所の労働条件、支援体制、作業内容は事業所によって異なります。
また、障害福祉サービス受給者証の申請条件、障害者雇用率制度上の算定、各種助成金の要件などは、個別の雇用状況や制度改正によって取扱いが異なる場合があります。
実際の算定方法については、管轄のハローワークや都道府県労働局にご確認ください。A型事業所の利用条件や募集内容については、各事業所またはお住まいの自治体の障害福祉窓口へお問い合わせください。
まとめ
就労継続支援A型事業所の利用者のうち、対象となる障害者手帳を所持し、雇用期間や週所定労働時間などの要件を満たす人は、原則として雇用主であるA型事業所の実雇用率に算入されます。
週所定労働時間が30時間以上の場合は原則1人、20時間以上30時間未満の場合は原則0.5人として算定します。重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者には、それぞれの算定上の特例があります。
ただし、2024年4月から始まった週10時間以上20時間未満の0.5人算定の特例は、A型事業所の利用者には適用されません。
また、2026年7月1日から民間企業の法定雇用率は2.7%となり、障害者雇用義務の対象は常用労働者37.5人以上の企業に拡大されています。企業は最新のカウントルールを確認し、業務設計や受け入れ体制を計画的に整えることが大切です。
これから一般就労や安定した就労を目指す方にとって、A型事業所で必要な支援を受けながら働く経験は、今後の働き方を考える一つのステップになります。
横浜で就労継続支援A型事業所をお探しの方は、ぜひ「ジョブサポ」へお気軽にご相談ください。一人ひとりの希望や状況を丁寧に伺いながら、働くための一歩をサポートいたします。
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